産後のママさんに多い「膝痛」
「子どもを抱っこしようとする時にすっとしゃがめない」「立ち上がる時に痛い」など、今まで感じたことのない膝の痛みに悩む毎日…
子どもと遊ぶのにも毎日の家事をこなすにも気になるのが、産後の膝の痛みです。
・膝の曲げ伸ばしや正座をする時に痛む
・立ち上がる時や歩行時に膝が痛い
・膝の前や内側、裏に痛みがある
などのお悩みが多いです。
妊娠前や妊娠中は感じることがなかったのに、産後痛むようになったのはなぜでしょうか。
「産後の膝痛」の原因とは?
■育児での膝への負担
産後は、赤ちゃんのお世話で立ったり座ったりという動作を繰り返したり、それまでしなかった動作が増えたりと、膝には相当な負担がかかります。妊娠中の体重増加も気づかないまま膝に負担をかけており、痛みが出たと考えられます。
■ホルモンの影響
妊娠中から産後にかけて、女性の体内ではリラキシンというホルモンが分泌されます。このホルモンは関節を緩ませ骨盤の開きをスムーズにするために分泌されますが、同時に膝など他の関節も緩ませてしまい、痛みが出てしまうことがあります。また、妊娠中はステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン)という炎症を抑える作用のあるホルモンが分泌されますが、出産後は分泌が減ったりとバランスが変わっていきます。それまで抑えられていた炎症が抑えられなくなり、痛みが強く出てくる場合もあります。
■骨盤の歪み
産後の膝痛の大きな原因として、出産による骨盤の歪みが挙げられます。骨盤が歪むと膝が開きO脚の状態になってしまうことがあります。この状態がつづくと膝に負担をかけ、痛みが出てしまうのです。骨盤が不安定な状態でいると、足で身体を支えようとし、膝や腰に負担がかかり痛みにつながります。
また、重心のバランスが崩れている場合も膝の痛みがでやすくなります。
「産後の膝痛」放っておくとどうなる?
痛みを我慢して赤ちゃんの世話をする毎日は辛いものです。今後赤ちゃんの体重はどんどん増えていきます。そうなると抱っこなどで膝にかかる負担も増してきますので、痛みは我慢せず、早めの対策が必要です。これを放っておくと改善しないだけでなく悪化や再発につながります。
セルフケア方法の紹介
身体をゆがませない。毎日の何気ない動作に気を付けると、膝の痛みの悪化を防ぎ、改善されます。
■NG動作
・脚を組む
・床に座る時の横座りやペタンコ座り
・正座
脚を組むと、背中のねじれや骨盤の回転が生じ、このような筋肉のねじれや引っ張りが骨盤を歪ませてしまいます。姿勢の悪さや腰痛だけでなく、膝関節にも影響を及ぼしますので、座り方には十分気をつけましょう。床に座る時は、あぐらでお尻の後ろ半分にクッションを引いて座るのがおすすめです。
また、ストレッチもおすすめです。太ももの前側にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を伸ばすストレッチは、膝関節への負担を減らしてくれます。
1壁に手をついて立ち、片方の膝を曲げてつま先をつかむ
2太ももの前側が伸びているのを感じながら、じっくり伸ばす
3反対側も同様に繰り返す
最後に
産後の身体は骨盤の歪みや赤ちゃんのお世話による筋肉疲労、ホルモンの影響などが関与し、膝の痛みを起こしやすい状態にあります。まれではありますが、膠原病などのほかの病気により関節痛になる場合もありますので、産後、膝の痛みが気になりだした場合は、なるべく早めに身体の専門家に相談しましょう。