妊娠して大きくなるお腹、出産後、前と同じようなお腹に戻るか心配ですよね。産後、自分のお腹を見て、たるんだ・緩んだと感じる。。。
いつまでお腹が出た状態が続くのか、元に戻るのかと心配になり、ご相談いただくことがとても多いです。今回は、産後のお腹の特徴や、ぽっこりお腹の原因や対策などをご紹介していきます。
産後のお腹の状態とは
産後のお腹は、すぐには元に戻らないことが多いです。赤ちゃんも胎盤も外に出たのになぜ?と思うかもしれませんが、出産しても子宮はまだ大きいままなのです。10カ月かけて変化した子宮や卵巣は、産後、6〜8週間前後かけて元の状態に戻っていきます。子宮が収縮し小さくなるに伴い、膨らんでいたお腹も徐々にへこんでいきます。個人差がありますが、子宮が元の大きさに戻るには6週間から8週間ほどかかると言われています。お腹のたるみも次第に気にならなくなってくるかとは思いますが、産後1年経ってもお腹がぽっこりしてたるみも気になるという方が少なくないのが現状です。子宮が小さくなるとともにお腹はへこんできますが、体に蓄えられた脂肪は自然となくなってはくれません。日常的な運動やストレッチ、骨盤ケアなどをして戻していくことが大切になります。ただ、産後6週間から8週間ほどの産褥期 は、体を回復させることが優先なので、ダイエットや激しい運動はおすすめしません。帝王切開の場合、手術の影響でお腹のぽっこりが気になる場合が多いようですが、まずは傷口の回復を優先してください。産後3カ月から6カ月くらいから徐々に運動し始めても遅くないので、焦らず体を戻していきましょう。
産後にお腹が出る原因とは
①腹筋の筋力低下
妊娠中や産後は体を動かしにくいため、腹筋が衰えてしまいます。腹筋が弱くなると座ったり立ったりするときの姿勢を保てなくなるため、お腹が出やすくなります。また、妊娠中にお腹が大きくなると周りにある筋肉は伸ばされ、出産でも骨盤が開くことで骨盤周囲の筋肉がゆるんだり伸ばされてしまいます。産後にこの状態が続くことにより骨盤を支える筋肉が弱ってしまい、体幹が不安定になり、お腹のたるみの原因となってしまうのです。それに加え、妊娠中に赤ちゃんの成長とともにお腹の皮膚が引き伸ばされ、出産後も皮膚が元に戻るのには時間がかかります。伸びきった皮膚は、完全に元の状態に戻らないことも多いです。
②内臓の位置が下がる
出産で広がった骨盤を支える筋肉も弱っているため、骨盤、背骨、股関節周囲の組織は緩んだ状態がしばらく続きます。骨盤が開いたり筋肉や靭帯などが緩んだりしたままだと、子宮や腸などの内臓を支えにくくなり下腹がぽっこりと出る原因になると同時に、骨盤を支える筋肉が弱くなっているため内臓の位置が下がってきてしまいます。
③筋力低下で姿勢不良になっている
姿勢が悪くなるとお腹がぽっこり出てしまいます。妊娠中は動きづらくなるため、運動不足になりがちです。子宮が大きくなるとともにお腹まわりの筋肉も引き伸ばされて力が入りにくくなるため、腹筋の筋力低下につながります。 腹筋が弱くなると、正しい姿勢が取れずお腹のぽっこりした状態が続くことになります。
④リラキシンの影響
妊娠すると、出産に向けて骨盤周辺の靭帯や筋肉、関節を緩めるリラキシンというホルモンの分泌量が増え、出産後は半年かけてリラキシンの分泌量が減り、緩んだ骨盤まわりの組織が徐々に元に戻っていきます。リラキシンが分泌している間は骨盤が緩み広がりやすい状態にあるため、その間はお腹が引き締まりにくいと考えられています。リラキシンの分泌量が減っていく期間には個人差があり、それにともない骨盤周りの回復も人それぞれになります。
産後に出てくるお腹の対処法とは
①姿勢を意識する
日頃から良い姿勢を意識してみてください。姿勢を意識すると自然と腹筋が引き締まるようになります。授乳のときは姿勢が崩れやすくなるため、 授乳クッションなどを使い、座ったときに背筋が伸びるように気をつけてみましょう。立つときや歩くときも良い姿勢が習慣になると、お腹の筋肉が戻ってきます。
②ストレッチや有酸素運動をする
産褥期が終わって体調に問題がない場合は、ストレッチや有酸素運動を積極的に行うと良いでしょう。有酸素運動は、ウォーキングやヨガなど体に負担の少ないものから始めてみてください。
③マッサージや施術を受ける
産後の1カ月健診などでかかりつけ医から問題ないと判断されたら、骨盤矯正の施術を受けることをおすすめします。施術を受けることで、産後に開いてしまった骨盤や、引き伸ばされた骨盤周りの筋肉のケアをすることが可能です。骨盤周りの筋肉は、骨盤内にある子宮や膀胱などの骨盤内臓器を支え、姿勢を保つのに必要な下腹部や股関節付近の筋肉を支えてくれます。産後半年ほどはまだリラキシンが分泌されており、骨盤矯正などの効果が出やすいと考えられています。産褥期の方であっても、マッサージや骨盤矯正を受けることは可能です。
最後に
ようやく体重が戻っても、体型が戻らないということはよくあります。骨盤の形が変わっているため、おしりの形やサイズに変化がでてしまうのです。そのような場合の体型はなかなか戻りにくいものです。体型の回復には個人差があるものですが、できることなら妊娠前の体型を取り戻したいですよね。産後に骨盤が開いたままだと、身体は内蔵を守るため皮下脂肪を蓄え、産後太りの原因になる場合もあります。猫背などの姿勢の悪さは骨盤を歪め、骨盤内の臓器を支えている筋肉(骨盤底筋群)へかかる負荷が大きくなり、内臓が下がりぽっこりお腹につながる可能性もあります。骨盤矯正やマッサージは、骨盤が元に戻る手助けをしてくれますので、お腹のぽっこりがなかなか改善しない方は、是非私達にご相談ください。