産後の生理再開は、体と心の大きな変化が交錯する時期です。出産によるホルモン変動、授乳の有無、生活リズムの乱れが重なり、生理の再開時期や症状、経血の量や周期のバラつきに不安を感じる人が多くいます。今回は、産後の生理について、いつ戻るのか、授乳との関係、よくある変化と対処法、注意すべき症状まで分かりやすくお話ししていきます。

生理再開のタイミング
生理が再開するタイミングは、個人差が大きいですし、授乳しているか・授乳していないかによっても大きく変わってきます。
授乳している場合
授乳中はプロラクチンというホルモンが優位になり、排卵と月経を抑える働きがあります。完全母乳育児の場合は生理が半年〜1年程度戻らないことが多く、個人差が大きいです。授乳回数が減る、夜間授乳が減る、離乳が進むとともに生理が再開することがよくあります。
授乳していない場合
授乳をしていない場合は、産後6〜8週間前後で生理が再開する人が多いです。ただしホルモンバランスや個人の体質により、早い人も遅い人もいます。
授乳していても早く戻る場合
一部の人は授乳中でも生理が早く再開します。これは個人差であり、授乳の仕方やホルモンの反応の違いが影響します。
産後の生理の特徴
産後の生理は、ホルモンバランスの変化や授乳の影響で周期が不順になったり、出血量が増減したり、経血に違いが出たりするといった特徴や変化があります。生理痛が軽くなる人もいれば、重くなる人もいます。初回の生理は排卵を伴わない無排卵月経のこともあり、出血量が少ない場合が多いですが、回数を重ねるごとに徐々に安定していくことが多いので、あまり心配しないでくださいね。
経血量と周期の変化
最初の数回の生理は不規則で経血量が普段と異なることがあります。出産直後の子宮の回復過程やホルモン調整が影響しているためです。通常は数ヶ月で徐々に安定してくることが多いです。
生理痛や不快感の変化
生理痛が強くなる人と、逆に軽くなる人の両方がいます。筋力低下や骨盤底筋の状態、ストレス、睡眠不足が痛みや不快感に影響します。
産後の悪露と生理の違い
産後すぐに見られる悪露は分娩後の子宮内からの出血で、生理とは異なります。悪露は徐々に色が薄くなり量も減っていきます。悪露が続く中で突然通常の生理のような出血が始まる場合は医療機関に相談すると安心です。
日常でできる対処法
産後の生理再開をスムーズにするためには、注意点を知り、適切な対策をすることが重要です。栄養バランスやストレス管理、十分な睡眠を心がけるなどして体調を整え、生理再開を促すことができます。
生活リズムの工夫
可能な範囲で睡眠を優先し、食事はたんぱく質や鉄分、ビタミンを意識して摂ると回復を助けます。
骨盤底筋と骨盤ケア
産後の骨盤ケアや骨盤底筋を意識したエクササイズを日常に取り入れると、月経痛や尿もれの改善に繋がることがあります。無理は禁物で、痛みがある場合は専門家に相談してください。
冷え対策と入浴
冷えは月経痛や血行不良を悪化させます。温かい服装や足湯、短時間の入浴で体を温める工夫が役立ちます。
体と心の休息
ホルモン変動で感情の起伏が出やすい時期です。家族や友人に頼る、育児支援サービスを活用するなどして、休める時間を確保してください。
注意すべき症状
異常に多い出血や悪臭のある出血
経血量が極端に多い、悪臭を伴う、発熱を伴う場合は感染や他の合併症の可能性があるため早めに医療機関を受診してください。
産後すぐに大量出血が続く場合
分娩後の大量出血(産褥出血)は緊急を要することがあります。産後すぐの大量出血はすぐに受診が必要です。
長期間生理が全く再開しない場合
授乳していないのに長期間生理が戻らない、または生理再開後に極端に不規則な場合はホルモン検査などを含めた受診を検討してください。
その他にも、日常生活に支障が出るほどの強い腹痛や持続する腰痛、発熱などがある場合は受診することをおすすめします。

最後に
産後の生理は個人差が大きく、心配になることも多い時期です。変化は体が回復しホルモンが安定する過程で起きるもので、多くは時間とともに落ち着きますが、異常を感じたら一人で抱え込まないことが重要です。ママの骨盤矯正では、骨盤矯正の他にも、授乳姿勢や必要なエクササイズなどに関して、具体的なアドバイスをしていますので、是非ご相談ください。自分の体のサインに耳を傾け、無理のないケアを大切にしてくださいね。

