産後のママからのご質問でとても多い「エクササイズ」について
産後のママさんからいただくご質問の中でも特に多いのは”元の体型に戻る為のエクササイズ方法”です。代表的なものとしては筋トレやストレッチですが、痛いストレッチを我慢してやっているママさんがとても多いです。体や口元に力をいれてぎゅーっと無理やりに伸ばしても長続きしませんし、よい結果もでません。今回は産後ママさん達がすぐにでも取り込める「痛みのない、いつまでもやりたい気持ちのよいストレッチ」の方法をご紹介したいと思います。
「体の力を抜く」という事
まず初めに何よりも重要な「体の力を抜く」という事についてお話します。赤ちゃんは産まれてすぐ、誰も教えていないのに力いっぱい泣いて力いっぱい指を握り締め更には体全部に力をいっぱいに入れる事を身につけて産まれてきますね。一方、「体の力を抜く」という行為は自分でコントロールする事もできないし誰も教えてくれないのです。人間は力を入れる事は自然に行えても「力を抜く」という動作は意識をして脳でコントロールし体に伝えるという作業をしないとできない行為なのです。体の力・パワーは体全体や体の各部位に力を入れる事で発生します。特に口の動きは重要です。プロ野球選手がホームランを打つ時やボクサーが強いパンチを打つ時、インパクトを与える、力を入れる時、噛み締める為に使われます。また、元NBAのバスケットボール選手マイケル・ジョーダンは試合中に舌を出してプレーすることでも有名でした。これは、「力を抜いた状態」力んでいないリラックス状態であることを示しているそうです。
例のように口に力を入れる事で体全体に力が入りますが、逆に口の中を緩めてリラックスしてあげると体の力が抜けるという事が良くわかります。慣れない育児、愛おしいわが子のためにとついつい我慢をしてストレスフルな毎日をお過ごしのママさん、知らず知らずの内に力が入っていませんか?エクササイズを行う前にまずは「口の中の力を抜く」というルーティンを是非知って頂きたいと思います。
口の中の力を抜く方法
①歯と歯の間に5㎜〜1㎝ほどの隙間をあけます。
口を閉じていてもできます。周りに人がいない状況ではポカンと開けていてもよいです。
②舌の力をリラックスさせましょう。
ご自分の舌の力を確認された事がある方は少ないかと思います。力を抜くイメージだけでも体のあらゆるところを緩める信号が送られます。意識を深めてみましょう!
③上顎・下顎・頬の内側に力が入っていないか確認しましょう。
顎関節症、歯ぎしりされる方に多くみられます。お口の中が今どうなっているかを見直していただく事により副交感神経優位となり、体に伝わるあらゆる組織が柔らかくリラックスした状態を作っていくことができます。
「痛みのない、いつまでもやりたい気持ちのよいストレッチ」を行っていきましょう。
お口の中をゆるめたらほんの少しずつ伸ばしていくストレッチ
<以下3点に気を付けながら行っていきましょう!>
・お口の中の力を抜いてリラックスできていますか?
・気持ち良く伸びている場所を探しましょう!
・気持ち良い場所で呼吸を意識しながらできるだけ長くキープ
痛くない太もも・お尻周りのストレッチ
片足開脚ストレッチ (内転筋、ハムストリング、硬いと感じている方は大腿四頭筋にも効いてきます)
①坐骨を床に押し付けるように骨盤を立てて座ります。
②片足を伸ばし内ももが少しだけピリピリとした場所を探します。
痛みを感じたら数ミリ単位で痛気持ちいい場所に戻します。(ここならいつまでもストレッチできてピリピリ感が感じられる場所です。)
③その位置で呼吸を息をふーっと吐きながらゆっくりと上体を前傾していきます。
(痛ければ上体もミリ単位で戻します。)
④痛気持ちいい場所が決まったらそのままの位置でリラックスしながら気持ちの良い感覚をなるべく長く続けます。
※片足開脚ストレッチが簡単にできるようになったら両足開脚ストレッチへチャレンジ!
両足開脚ストレッチ (内転筋、ハムストリング、硬いと感じている方は大腿四頭筋にも効いてきます。また体を引き上げる事により下腹部のプチ筋トレにも!)
①坐骨を床に押し付けるように骨盤を立てて座ります。
②両足を伸ばし内ももが少しだけピリピリとした場所を探します。
③あとは片足開脚ストレッチと同じやり方です。
あぐらストレッチ (このストレッチはお尻、骨盤周り、股関節痛などにも効果があります。)
①あぐらの形を作りますが、右のお尻や股関節をアプローチするにはあぐらを組んでしまわず組んだ右足を外すように右足全体を前に置きます。
②姿勢を正してガラ携とじ部分のように股関節を中心に誰かに上体を引っ張られるようなイメージをもちゆっくりと頭の重みを意識しながら前傾していきます。
③あとは片足開脚ストレッチでご説明させていただいた方法と同じになります。
まとめ
このように毎日少しの時間でも繰り返す事によりどんなにお体が硬いママさんでも少しずつの可動域を広げられて必ず柔軟性のある柔らかいお身体に変える事ができます。私は現在57歳ですが38歳の時にこのストレッチ方法をやりはじめ3ヶ月ほどで床が自分の視線から近くなった事を覚えています。現在でも開脚で胸が全面ついておりますので、産後ママさん達もチャレンジしていただく事で柔らかいお身体に変わり元の体型に戻りやすくなる事でしょう。柔軟性なくしては元のお身体に戻る事は難しいと考えております。今回は元の体型に戻る為のエクササイズ「痛みのない、いつまでもやりたい気持ちのよいストレッチ」の方法をご紹介しました。痛みや疲れがにくいお体をご自身で知り、日々のちょっとした隙間時間に口の力を抜く作業を行う事で体の全ての神経、血流、筋質、関節可動域が変わります。このストレッチ方法を通して質の高いQOL (Quality Of Life)」と産後ママさん達にとっての「人間らしい生活」「自分らしい生活」を是非送っていただけたらと思います。産後のダメージを負ったお体には産後のケアとそれと並行して疲れにくいお体づくりが必要です。産後の不調は私たちプロにご相談してくださいね!今後も様々なエクササイズやストレッチをお教えしていきます。