帝王切開後の腰痛の原因とは

今回は、帝王切開後の腰痛についてのお話です。厚生労働省の統計によると、帝王切開による出産は年々増加傾向にあります。ママの骨盤矯正でも帝王切開でご出産されたママさんに多くご利用いただいております。産後のママさんのお悩みで非常に多い症状が腰痛です。

厚生労働省:平成22年度我が国の保健統計 医療機関における分娩件数と帝王切開娩出術割合の年次推移

 

帝王切開の出産では骨盤は歪まない?!

「帝王切開での出産だから、骨盤は歪んでないですよね?」とご質問いただくことがあります。実際は、妊娠中のホルモンの影響で自然分娩・帝王切開どちらのご出産でも骨盤のゆるみが生じます。上半身と下半身をつなぐ骨盤という土台がゆるむと、その上にのっている腰椎や筋肉に負担がかかり、腰痛等の症状が引き起こしやすくなります。

 

産後の腰痛の原因とは

・お腹を支えるため腰に負担がかかり、過度な筋肉疲労を起こしている
・動きが制限されたり運動不足による筋肉量が低下している
・抱っこや授乳などの無理な姿勢により骨盤が歪んでいる
など様々あります。
産後の足首の痛みの原因と改善方法とは

 

帝王切開と腰痛の関係は?

帝王切開は開腹手術となります。術後、腹膜(内蔵を覆っている膜)の癒着により皮膚や筋肉・靭帯がひっぱられて骨盤のねじれを引き起こすこともあり、腰痛をさらに悪化させる可能性もあります。手術を行うと、お腹を閉じた後で本来くっつかなくて良い組織同士がくっつくことがあり、「癒着」といわれます。癒着の原因は、体を治そうとする人間が本来持っている自然治癒力です。癒着は帝王切開手術に限らず、開腹手術では90%の確率で生じるとされます。特に症状が無ければ心配ありませんが、腹痛などの症状が出ることもあります。(※最近は癒着予防のため「癒着防止材」を使用するなど様々な処置が行われています。)癒着の影響により失われた皮膚や筋肉・靭帯の柔軟性を取り戻すことで、骨や筋肉がスムーズに動くようになり、腰などの痛みが緩和されます。

癒着による違和感を感じた時の対処法

癒着による腰痛や腹部の違和感が気になる時は、お腹のマッサージがおすすめです。お手持ちのクリームやオイルをつけ、おへその下から時計回りにゆっくりとさすってみましょう。その時に、手の動きに合わせてゆっくりと深呼吸をしながらマッサージすると、さらに効果的です。

 

まとめ

産後は忙しくなかなかご自身のケアをする時間が取れないことも多いと思いますが、ねじれた骨盤や硬くなった筋肉は放っておいても元に戻りにくいので、その場合は産後のケアが必要となります。私達のママの骨盤矯正の施術では、まずは全身の筋肉の緊張をほぐし、筋肉や靭帯の崩れたバランスを整えます。お腹にもマッサージも行い、産後に機能が低下している内臓系にもアプローチしていきます。オイルマッサージが入るコースでは、お腹や脚を入念にマッサージしますので、徐々に筋肉や靭帯の柔軟性が戻ってきます。骨盤に関係している筋肉や靭帯がスムーズに動くようになり、腰痛が緩和していきます。また、下腹部痛などの慢性的愁訴がでる場合がありますが、骨盤矯正とオイルマッサージをせ併用することで症状が緩和される方が多いです。帝王切開でご出産された方も産後の不調は是非私たちにご相談ください。