産後に気になるむくみの原因と改善方法とは

むくみは、産後トラブルの中でもとても多い症状のひとつです。中でもむくみを感じる部位で特に多いと言われているのは、足のむくみです。

産後のむくみの原因と対処方法とは

成人の体は約6割が水分で構成されており、水分は血液やリンパ液などの体液となって体内を循環し、栄養素や老廃物を運ぶ働きをしています。皮膚の下(皮下組織)に蓄えられた水分は体温を一定に保つ役割をし、余分な水分は尿として排泄される仕組みになっています。むくみとは、余分な水分がスムーズに排出されずに、皮下組織などに水がたまった状態のことで、医学用語では「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれます。むくみは顔をはじめ全身どこにでも起こりますが、重力の影響により、心臓より下、とくに足にあらわれることが多く見られるのです。

 

とくに以下のような症状は産後によく見られます。

・靴がきつくて履けない

・足が重くふくらはぎがパンパン

・足首がなくなる

・顔がむくんで目も腫れる

・手指がむくんで指輪が入らない

 

産後のむくみの原因とは?

産後のむくみにはさまざまな原因があります。

水分バランスの乱れ

妊娠中は、羊水などの影響で、母体の血液量が約1.5倍に増えると言われています。それが、出産によって羊水・血液が多量に体外に出てしまい、ママさんの体の水分バランスが乱れます。授乳している場合は、体の水分を赤ちゃんに与えてしまうので、さらに水分バランスが乱れていきます。体は、その乱れた水分バランスを整えようと、体内に水分を溜めこもうとして、むくみが発生すると考えられています。

 

ホルモンバランスの乱れ

出産後は、妊娠中に出ていた女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)が急激に低下します。エストロゲンの水分保持の影響など、体液調節に関与するホルモンバランスの急激な変化によって、むくみが生じやすくなります。

 

骨盤内のリンパ損傷

出産時、産道を降りてくる赤ちゃんは、骨盤にあるリンパを圧迫しながら下がってきます。赤ちゃんの頭はとても大きく、リンパへのダメージが生じてしまいます。また、分娩時間が長い場合は、更にダメージが大きくなると言われています。
※体内にはリンパ管と呼ばれる管が存在し、リンパ液が流れています。。リンパ液は血液中の余分な水分やタンパク質を吸収しますが、リンパ液の流れが滞ると水分代謝がうまくいかず、むくみが起こります。

 

疲労やストレス

産後は睡眠不足が続きます。夜中でも授乳のたびに起きなければならず、疲労が蓄積していきます。赤ちゃんをあやすために立ちっぱなしになったり、座りっぱなしになったりもします。また、特に産後1か月は運動不足にもなりがちですが、同じ姿勢が続いたり、運動不足になったりすることがむくみに影響してしまうのです。

 

姿勢の歪み

産後のママさんは、抱っこやオムツ交換など、無理な姿勢での育児がたくさんあります。特に、椅子に座りっぱなしの授乳や立ちっぱなはしの抱っこなどが増えてくると、重力の影響で水分は足に溜まりやすくなります。

 

筋肉機能の低下

筋肉の機能が低下すると、血管やリンパ管にも悪影響が出て、血液やリンパ液の流れが悪くなります。血液・リンパの循環が正常に行われなくなると、むくみが発生しやすくなります。産後の体は、まだ正しく機能しておらず、さまざまな不調が起きやすい状態なのです。体が正しく機能していくと、不調は緩和していきます。

 

 

産後のむくみを放っておくとどうなる?

産後のむくみは自然に改善されていくことが多いのであまり心配しなくてもいいのですが、時々、むくみから冷えやだるさを引き起こす可能性があります。できる範囲で自分で対策してみることをおすすめします。入浴やマッサ―ジ、軽いストレッチを行い、血流を良くしておくとよいでしょう。ただし、あまり長期間続くときは、病気が隠れている可能性もあります。妊娠高血圧症候群や、心臓、腎臓の病気が隠れていることもあるため、心配なときは胃腸期間を受診しましょう。

 

セルフケア 改方法の紹介

産後のむくみ対策としてよく行われているものをご紹介します。

 

着圧ソックスを履く

着圧ソックスは強い圧力がかかるので、足にたまっている水分や血液を押し上げてくれます。ただし、長時間履いていると逆に血流が悪くなる可能性があるので、むくみが強いときだけにしたほうがよいでしょう。

 

塩分を控える

つい自分の食事は後回しにしたり簡単に済ませたりしがちです。インスタントやレトルト食品は、塩分が多くなりがちなので、摂り過ぎには注意しましょう。

また、塩分を排出する働きのあるカリウムを多く含んだ食品を食べると効果的です。

【カリウムを多く含む食べ物】

・バナナ
・カリフラワー
・ブロッコリー
・ほうれん草
・小松菜
・さつまいも

 

水分を正しく摂る

意外と多いのが、水分不足です。慌ただしい毎日で、つい水分をとるのを忘れてしまうママさんがおおいですが、水分を正しく接種しないと、逆にむくんでしまいます。

産後のむくみの原因と改善方法とは

筋肉を整える 適度な運動で解消

産後1か月を経過するころから徐々に外出ができるようになってきます。赤ちゃんと一緒に近所を散歩をするだけでも、運動不足の解消になります。
他にも、家の中ではストレッチをして、首、ひざ、股関節など関節の曲げ伸ばしを行うとむくみ解消につながります。

 

足を高い位置にして寝る

足をおろしていると、重力によって水分が足にたまりやすくなってしまいます。足を高い位置において過ごしましょう。寝るときには、足の下に丸めたバスタオルやクッションなどを置くとよいでしょう。高すぎないよう無理のない程度に調整してください。

 

マッサージ

ふくらはぎを足首から上に向かって押したり、さするように引き上げていきます。毎日行うことで、徐々にむくみが解消されます。

産後のむくみの原因と改善方法とは

 

 

 

産後の不調はプロに相談してね

産後、骨盤の歪みがある状態だと体が正しく機能しないので、むくみを生じさせてしまいます。骨盤の機能を回復させることはとても重要です。土台となる骨盤を整えていくと、むくみも解消していきます。骨盤の歪みを整えたり、マッサージを行うことで全身の流れがよくなりますので、むくみでお悩みの場合も、ぜひご相談くださいね。